2015年12月号
マインドを客観視してみる
NPO法人JOYヒーリングの会理事長・ヒーラー
中西研二(ケビン)
マインドを客観視してみる
最近、「自分の考えを見ていること」を意図的にし始めました。なかなか難しく、気がつけば考えの中に埋没していることが多くて、とても長時間行うことは今の私には無理な様です。しかしこんなことに気づきました。相手が話しているとき、私は全面的に聴いているのではなく、たえずジャッジしているのです。良い悪いはない、正しい間違っているはない、と言い続けてきたのに、内側では絶えずジャッジしていた自分に驚きました。それからバガヴァンの言う「相手の靴に足を突っ込んで」見ることをしてみました。するとどうでしょう、「世の中にはたくさんの人が自分を認めてもらいたくて主張しているんだ」という当たり前過ぎる現実が見えてきたのです。
「私」はこれまで相手の話を聞いているようで、実は自己主張をする機会を伺っていただけなんだと、気づいたのです。自分としては聞き上手だと思っていましたから、笑えるほどにショックでした。それからというもの、不思議なことに前にも増して人と話すのが大好きになりました。ハートを開いて相手の話を聞いていると、その人の考えていることがよく分かりますし、質問をすれば、どうしてそういう考えに至ったのかが鮮明に見えてきたのです。「私」の反応も同時に見えてきました。「すべてはマインドゲームなんだ」とようやくはっきりと気づきました。
知識としての理解と、体験とはまったく違うということに、またまたそれを思い知らされました。それはちょうど旅行のパンフレットやテレビ番組を見て行った気分になるのと、実際に行ってみたのとは大違いなのとよく似ています。しかも、内側から喜びが湧いてきたのです。最近は内側が至福に満ちて、理由のない喜びがやって来ていたのですが、それがさらに深まったように思います。
バガヴァンのデイリーティーチングの中に、
「マインドが人間と神の間にある壁です」
という言葉がありました。マインドを客観視できるなら、神との壁を乗り越える準備が一つ進んだことになるのでしょう。だから至福感が増しているのかもしれません。
国が違っても一つになれる
今年になってから4度目の中国に行ってきました。今回も中国の方々に本当に喜ばれ、楽しくセミナーをさせていただきました。今回は5日間に及ぶワークショップでしたが、そのセミナーの初日、若い女性が車椅子で参加してきました。ヒーリングがどんなものわからない人も多いので、その場でヒーリングをさせて頂きました。それからより一層皆さんが真剣に私の話に聞き入っていました。
すべてが順調に進み、このままだと大成功に終わると思い始めていた3日目の昼過ぎになって30代の男性が入ってくるなり、
「私の頭がおかしいのか、それともこの日本人に洗脳されたのか、神だの愛だのなんだの訳のわからないことを言っている」
と切り出しました。会場には緊張が走り、まる2日間かけて築き上げたお互いの信頼関係が崩れそうになった時、受講生の一人が立ち上がって、
「この先生は、神なんて言ってないですよ。大宇宙の意識とか、そういうものを教えてるんだから、途中から来てとやかく言わないで、まず話を聞いてみたら?」
その言葉で彼は発言をやめ、最後まで受講されていました。翌日のこと、質問コーナーでまたもや発言しました。
「私は日本人を許していません。ロゼイさんの誘いでなければ私は来ませんでした。あなたはどう思っていますか」
ついに反日感情丸出しで迫ってきました。私は真摯な態度で、彼のすべてを受け入れてお話をさせて頂きました。内容は紙面の関係で書き切れませんが、発言を終えたとき会場の受講生全体が感動して、さらに大きな信頼関係を築くことができたように思います。
休憩時間で部屋を出ようとしたとき、その彼が握手を求め、謝罪と感謝の発言をしてくれたのです。国を超え、時代、民族を超えて一つになった瞬間でした。これからますます交流が深まっていくことでしょう。
(合掌)