2008年6月号
地球を後生のすべての命のために、最低限汚さず残すのが、いま生かされている私たちの義務
NPO法人JOYヒーリングの会理事長・ヒーラー
中西研二(ケビン)
平和な時代への足音、テレビから「クリスタルチルドレン」
「クリスタルチルドレン」という歌をご存じでしょうか? 4~5月、NHKの「みんなのうた」で放映されていたものですが、初めて映像と共にこの歌を聴いた時に、衝撃的な感動を覚えました。
4月のとある朝のことでした。地方への出張はたいていの場合、朝5時には家を出ます。その日もいつものように4時半には起きて、支度をし、そろそろ家を出ようと、時間確認のため、テレビのスイッチを入れました。その途端、5時の時報と共に「クリスタルチルドレン」の映像と歌が飛び込んできました。
戦わなくていいんだよ
好きになっちゃえばいいんだよ
顔も知らない同士
敵も味方もないでしょ
本当なら歌詞の全部を披露したいところですが、著作権の関係があるので…。でも実に感動的な内容です。しかもイルカに乗って地球にやってきた少年たちが歌うのですから、実に感動的です。
皆さんの中にはテレビで見た人も大勢いらっしゃると思います。時代が主義・主張や国境を越えて、大きく動き出しているのを感じるのですが、皆さんはいかがですか? まだ聴いたことのない方はどうぞお聴きになってみることをお勧めします。
いずれにせよ「クリスタルチルドレン」という言葉が使われているだけでも驚きです。この言葉は「インディゴチルドレン」よりさらに鮮明な意識を持って地球にやってきた子どもたちのことで、一般的な言葉ではなく、精神世界というジャンルの本の中で使われている言葉です。それがメジャーなテレビ局から流れる歌になっているのですから驚きです。平和な時代への足音が聞こえてくるようです。
核廃棄物再処理工場に関心を持って
先月号でお伝えしました青森県六ヶ所村の核廃棄物の再処理工場のことですが、ぜひ関心を持って頂きたいのです。この工場はまだ本格稼働していません。
もし、稼働すれば一日で通常の原子力発電所の出す放射能の一年分を海に空に放出します。その放射能の半減期が2万5千年。つまり、一度汚染されたら2万5千年間も死の海にしてしまうということです。この事実を知っていましたか?
ではなぜそんな危険な工場を稼働させようとしているのでしょうか。それは、原発には核廃棄物というものが出ます。これを再利用して効率のいい発電をしようというのです。その際に出るプルトニウムというのがそれですが、実はこのプルトニウムは、原爆の材料なんです。世界の多くの国々が、原発を危険視している上に、もっと危険度の高い再処理をする工場を作る必要が本当にあるのでしょうか?
先進国の間でこの工場を現在稼働させている国はフランス・英国だけです。英国は最も早く稼働させたのですが、あまりにも汚染がひどいので、国民運動が起きています。これから新規に始めようとしている国は日本だけなのです。
しかも、稼働すれば汚染される地域の人たちも、ほとんどその事実を知らされていません。地球が誕生してから150億年、私たち人類が誕生してからせいぜい100万年、現代人が長生きしてやっと100年だとすれば、地球を後生のすべての命のために最低汚さずに残すのが、いま生かされている私たちの義務だと思うのです。
とはいえ推進派の人たちにも立派な主張はあります。どちらが正しいかというような話をしたいのではなく、その結果として起こる重大なことを知っておく必要があるように思うのです。
競争社会が生んだ弊害
外側に起きる全てのことは、私たちの内側の反映です。子どもの頃から地球のことを考え、競争ではなく共存共栄という考えを持たされていたなら、外側の出来事も変わっていたはずです。
私は団塊の世代ですから子どもの頃から競争させられました。常に勝ち続けなければいけなかったのです。学校での友人たちは、そのままライバルでした。社会に出てからも、企業間同士のみならず、職場の仲間でさえ敵でした。そんな中で生きてきたら、他人のことを考えた生き方なんてできるはずがありません。
だから75歳以上の老人に、年金の中から税金を徴収するような制度が出来てしまうのです。この制度の対象となった老人たちは、今の日本で最も苦労を強いられた人たちです。戦前、戦中、戦後を体験し、焼け野原になった日本を再興した立役者たちです。本来なら、その功労を讃えて、生活を保障し、ゆっくりとした余生を送って頂きたいものです。
しかし、今の日本では、今の今日本に貢献する者たちだけで充分なのです。悲しい話ですが、私たちの心が創り出した結果ですから厳粛に受け止めて、内側のクリーニングをしています。
今こそ声をあげて、海を守りたい
その最たる結果が六ヶ所村の核廃棄物の再処理工場でしょう。原子力を持たなければ国際社会での日本の地位が下がってしまいます。競争社会では最強の武器を持つか持たないかは大きなポイントになりますから、核兵器を持ちたい、持つべきだと思う人がいてもおかしくありません。しかしその結果として、地球の海を限りなく汚してしまった日本人は、未来永劫に亘って人類史上に汚名を刻むことになるでしょう。
(合掌)