オーストラリアの先住民族アボリジニが使っている世界最古の管楽器といわれているディジュリドゥ。ディジュリドゥプレイヤーの小島氏が吹く音色は、脳の奥に響き渡り、一度聴くとやみつきになると評判です。ディジュリドゥが生み出す可能性は、無限のようです。
「チャクラや脳幹で聴く宇宙のバイブレーション」
対談:小島敏弘氏×中西研二
小島敏弘(こじま・としひろ)●ディジュリドゥ演奏家、シンガーソングライター。
一般社団法人ディジュリドゥ健康法普及協会 代表理事。
http://www.jdha.org
東海ホリスティック医学振興会顧問。
1958年愛知県一宮市生まれ、1980年、法政大学文学部哲学科卒。1998年よりディジュリドゥ演奏者として全国的に活動を始め、外科医、産婦人科医、脳神経外科医など多くの医師にディジュリドゥ演奏指導をすることから、ディジュリドゥの健康面への効用に自信を持ち、2014年5月一般社団法人ディジュリドゥ健康法普及協会を沼田光生氏らと設立。ディジュリドゥ健康教室を広めるため、指導者養成講座を全国で開催している。
http://www.happydidgelife.com/
中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来24年間で21万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は8名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。
長年のヒーリング活動が評価され、2015年に『東久邇宮記念賞』を、同年『東久邇宮文化褒賞』を受賞。
著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。
潜在意識を呼び覚ます音色
中西 初めて聴いたディジュリドゥの音の響きに感動して、ぜひお話ししたいと思いました。始めて何年くらいになるのですか?
小島 ディジュリドゥは約18年やっていますが、それまでは履歴書に書ききれないくらいいろいろしてきました(笑)。しかし、結局実家の会社を倒産させてしまって、その当時は身も心もボロボロでした。そんな時に出会ったのがディジュリドゥです。
最初は吹いても音が出ませんでした。でも音色はすごく響いたので、CDを買いあさり、しばらくは聴くだけで吹くことはしませんでした。
その後、このままでいいのか、と思うようになり、40歳になったのを機に実家の愛知県に帰りました。すると、無性にディジュリドゥを吹いてみたい衝動に駆られたのです。名古屋にあるディジュリドゥサークルを探しだし、すぐに入会しました。教えてもらいながら、ほぼ独学で吹けるようになりました。それからのめり込んでいきました。
中西 実際に吹けるようになって、聴いているときと違った感じはありましたか?
小島 ディジュリドゥを吹くとブワーッと脳の奥に響いて活性化する感覚があるのです。すると意識が瞑想状態になります。
楽器店でデモンストレーションをしてほしいと言われ初めてスピーカーを使って演奏したところ、ほぼCDで聴いていたような演奏ができたのです。それがとても心地よく、こんなに上手くなっていたのかと驚きました。ところが終わってもう一度やろうと思っても同じように吹けないのです。
おそらく、4年間ディジュリドゥのCDを聴き込んでいたので、潜在意識に植え付けられていたのだと思います。それが瞑想状態になることで、火事場の馬鹿力のような能力を発揮したのではないでしょうか。潜在意識のことは知っていましたが、体験で感じたのは初めてでした。
中西 その後はどう展開していったのですか?
小島 クリスタルボウルやネイティブアメリカンフルートなどを取り入れてライブをしていました。そんな時、同じようなスタイルで演奏しているサウンドセラピストの方に出会いました。サウンドセラピーを受けてみて、「これは俺にもできる」と感じたのでやってみると、チャクラのバランスが音でわかったのです。それからサウンドセラピーも取り入れていきました。
中西 オリジナルの歌もあって、それがまた癒されるというかすごく調和されていますよね。
小島 以前は、バックに波の音や森の木々の音を流していました。そうしたらあるときのライブで、お客さんから「自分は海のそばで育ったから波の音を聴くと現実に戻ってしまう」と言われたのです。その人にとって波の音は気持ちよくなる音じゃなかったのです。それで気がついたのですが、すべてを手放して、何も持たなければいいんだということです。何も持っていなければ、自由にどこへでもいける。無いということは全部あるということなんだ、と。そのときに「空(くう)」という意味を知ったわけです。そのときできた歌が「空(くう)」です。
そしたらある霊能力者に「君の歌には我(が)がある」と言われました。ええ? 歌からも我を取るの? とそのときは思いましたが、いつの間にか自分の歌が一つも覚えられなくなってしまったのです。我を手放したんですね。だから、今では歌うたびに新鮮で感動しているんですよ。
中西 なるほど。だから聴いていて気持ちいい歌なんですね。
未来の子どもたちのためにも予防医療を
中西 そして今はディジュリドゥを使った健康教室もされているんですよね。
小島 ええ。山口県にある周南病院の沼田先生と「一般社団法人ディジュリドゥ健康法普及協会」を設立しました。
もともとお客さんにお医者さんが多くて、お話を伺っているうちに、これからは予防医療が重要になってくるなという気持ちがありました。ディジュリドゥを何百回も演奏していると、健康にいいというのがわかってきて、これを使った健康法はできないかなとぼんやり思っていた頃に、脳幹療法をしている沼田先生のことを知ったのです。当時「僕らの音楽は脳幹で聴く音楽」というキャッチフレーズをつけていたので、脳幹療法にすごく興味がありました。
会ってみると、沼田先生も予防医療に注目していて、病気になる前の段階から運動やストレスの軽減などを指導できる人を民間から育てて予防医療を広めていこうとしていました。
中西 予防医療は時間もかかるし、お金にならないからお医者さんはやりたがりませんよね。
小島 病院でよく言われる「まだ大丈夫です。様子をみましょう」というのは「病気になるのを待ちましょう」という意味ですよね。だけど医療費が国の予算を圧迫している現状で、これ以上これからの子どもたちに負担をかけさせないためにも、一人ひとりがもっと健康を維持することに目を向けていかないといけないんです。沼田先生もそういう思いがあって、予防医療を考えたわけですが、その方法の一つとして「ディジュリドゥ健康法」を取り入れてみようと意気投合したのです。
すぐに吹ける、自宅でもできる!
中西 ディジュリドゥ健康法はどういう効果があるのですか?
小島 ひとつは心身のバランスを維持することです。
あらゆるものに振動がありますが、人にもその人特有の振動があります。その振動がなんらかの影響で乱れたときに、人は心身のバランスを崩します。
ところがディジュリドゥの音色はバイブレーションそのもので、ニュートラルな振動なのです。そのニュートラルな振動が、乱れた振動をもとの状態に戻すのです。そうすると心身やチャクラのバランスが正常に戻っていくので、心身の健康にとって根本的な解決につながります。
中西 いやしの村にも「ニュースキャン」という機械がありますが、これも周波数、振動で患部を探し、癒すものです。
それにディジュリドゥは楽器だから呼吸法による腹筋などにも効果がありますよね。
小島 ありますね。それに先ほども話にありましたが、瞑想も一緒にできるし、脳幹の活性化にもなります。ディジュリドゥを吹いているとどんどん体が温かくなるのですが、有酸素運動の効果もあります。
中西 やせそうですね。
小島 ウエストが3カ月で6センチ減った人もいます。顔の筋肉を使うので、ほうれい線も消えるし、美容効果はありますね。
中西 そういえば小島さんにはほうれい線がないですね。いいことづくめですね! すぐに吹けるようになりますか?
小島 たいてい2時間くらいで音が出せるようになりますから習ったその日のうちにできます。頑張ると音が出なくなるので、リラックスして緩むこと。自分はパイプになって宇宙のエネルギーを通すだけで、音を出そうと思わなくていいのです。
中西 すごいですね。すべて経験から生み出したのですね。頭で学んで得たものではない、体験から得た信頼がありますね。
小島 ディジュリドゥを使った健康法は世界初ですからね。いまこの健康法を教える先生を養成していています。彼らがさらに新しい効果を見つけたり、方法を生み出してくれているので、これからますます奥行きが広がっていくと思います。
中西 面白いですね! 宇宙の調和の音…といった感じがします。これからもますますのご活躍を期待しています。
(合掌)