医師であり在家僧侶でもある髙良先生は、「体」とは魂が空の状態、つまり「空魂」が語源だと教わったそうです。それゆえ魂が入っている体は大事にしないといけないということを念頭に、人の持つ力・免疫力を上げる方法を日夜研究されています。体を大事に思うことが、日々の幸せに繫がるのだと気づかされます。

みんな最後は死ぬのだから
その瞬間まで
楽しく、笑って生きるために

髙良毅氏&中西研二

髙良毅(たから・つよし)●タカラクリニック理事長。幼少の時、最愛の叔父を胃がんで亡くし、それがきっかけとなって医者を目指す。聖マリアンナ医科大学を卒業後、母校の第一外科に入局し救急外来を経験したのち、肝臓・小腸の移植・臨床を研究するため、カナダのマギル大学に4年間留学し、3つの病院で、移植の権威であるFrank M. Guttmann氏に師事する。帰国後、東京労災病院の外科に入局し、消化器がん、乳がん及び肺がんの治療に当たり、2002年、がんを総合治療で治すタカラクリニックを開業。

中西研二(なかにし・けんじ)●NPO法人JOYヒーリングの会理事長。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴後、1993年にヒーリング活動を開始。「呼ばれたら全国どこへでも行く」をモットーに行脚を続け、日本全国の各会場で数々の奇跡を起こしています。そして、直接または遠隔によるヒーリングやセミナーを受けた方から多数の感謝の声をいただき、27年間で22万人を超える人々を癒し続けてきました。
ハワイのホ・オポノポノで有名なヒューレン博士が来日された際には、博士のほうから直接会いたいと言われた唯一の日本人が、中西研二だったそうです。2004年からは、ワンネスユニバーシティのコースに招かれ、さらにO&Oアカデミーのコースにも招待されました。その折に伝授された“奇跡の目”で見つめるだけで「奇跡の水」ができ、意図を込めることで「奇跡の塩」ができ、そこからもたくさんの奇跡が起きています。現在は、日本式ヒーリング「愛和道®」の完成を目指して、昼夜を問わず活動しています。
著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなぁに?』『あなたは、わたし。わたしは、あなた。』(いずれもVOICE刊)対談集『なんにも、ない。』『たちどまって自分を癒す』(ともにヒカルランド刊)があります。

ひどくなる前にガンを抑えることはできないか?

中西 先生の著書『がんの町医者』を読んで大変感動しました。素晴らしいお医者さんがいるんだなぁと思っていたら、なんといやしの村東京がある五反田に開業されているので驚きました。

髙良 ありがとうございます。当時、内視鏡で免疫細胞を食道ガンに移植し、完全にガンを消し、治したことがあったんです。そしたら各方面から「抗ガン剤治療もしないで治すな」とお叱りを受けて。詐欺師みたいな言い方もされましたけど、患者さんは喜んでくれましたし、患者さんが味方になってくれたので誰に何と言われようが何も気にならなかったのです。でもしばらく静かにしていようと看板も出さず、ひっそりと開業していました。

中西 そうだったんですか…。髙良先生がどうして町医者になったのかという経緯にも、とても患者さん思いのお医者さんだと感動しました。

髙良 最初は移植医から始まって、ガンの外科医になったんです。でも手術だけじゃなかなか治らない現実を目の当たりにし、自分のメスの技術以上の病気をどうやって治せばいいんだと自問自答していた時期がありました。

その当時、大田区にある東京労災病院に勤務していたのです。大田区というのは社長と数人が支える零細企業の工場で成り立っているような土地柄です。だから、社長が倒れたら会社も社員もその家族もみんな倒れるような、ギリギリの状況でみんな仕事をしているのです。

試験開腹というのがあって、要するに、一度お腹を開いて中の様子を確認するんですね。そのとき、とても手術できるような状態でなければ「これは無理だ」と閉じるのです。私が研修医だった6年間でそういう経験をしたのは1度だけでした。ところが、東京労災病院では、多いときには1カ月で4人も試験開腹がありました。そういう背景のある土地だから、体調がおかしいと思っても限界まで病院に来ない人が多いのです。

こういう人たちをなんとか治してあげたい、できることはないのだろうかと模索しても、スタンダードなやり方をしていたらみんな亡くなってしまう。なぜ、こんなになるまで病院に来ないのか、という悔しい気持ちが募る一方で、「こんなになる前にガンを抑えることはできないか?」という考えが次第に浮かんできました。それは東洋医学の領域なんです。病気が進行してから治療を行う西洋医学に限界を感じていた僕は、東洋医学と西洋医学が融合した医療ができないかと考えるようになりました。

そこで、移植医だった経験から免疫について詳しかったので、免疫を主流にした方法論を模索するようになり、効果がはっきり出るようになって、今のような形態で開業するようになったのです。

だから、自分のやりたい医療をするために開業しました。免疫治療や遺伝子治療など、とにかく体に優しい医療を中心に提供しております。

中西 大学病院などでは、顔も見ず、モニターでカルテしか見ないところもあります。先生のように一人に90分もかけて話を聞いてくれるところはないですよ。

髙良 以前、診察に来た女性の脈をとろうと手首を持ったら「触るんですか?」って。こっちもびっくりしちゃって「いけませんか?」と(笑)。セクハラとかそういうことなのかなと思ったら、その方は、何十年も大学病院に通院していたけど触られたことがなかったそうなのです。

中西 そうなんですか…。

髙良 医者というのは本来、患者さんがドアから入ってきたときから、歩き方や顔色、臭いなどを感じ取って体調チェックするものだと思っています。診察に90分かけるのも、患者さんの気持ちを全部吐き出してもらうためにはそれくらいかかるのです。僕は説得をしません。どんないい治療でも、疑いを持つとそれだけでストレスになって体によくないですから。納得した治療法を選択してもらうためには信頼関係が必要なのです。そうでないと治療はうまくいきません。

免疫を上げるには

中西 そうですね。それでここでは、具体的にどういう治療をされるのですか?

髙良 基本的にガンにかかったら、治すのではなく「共存」です。ガンとの共存を目指すのです。一見画像上では消えたように見えても突然ムクッと起き上がるので、そうならないように免疫を上げ、食生活などの生活習慣も変える。そうすれば天寿をまっとうできるという話をしています。

ガンというのは徐々に増えてくると思っている方が多いですが、実際は対数曲線状に急に倍々に増えてくるのです。僕らの仕事はその急カーブを緩めることで、そのために免疫が必要なんです。

うちでは「免疫ブーストプログラム」というのをしています。これはガン患者さんだけでなく、あらゆる病気にいいもので、今のようにコロナみたいな対処法がはっきりしていないものにも効果があります。何しろ自分の免疫というのが最強の防御ですからね。

具体的に、免疫を上げるとはどういうことかお話ししますね。

主に免疫力を上げるのはリンパ球の一つ、NK(ナチュラルキラー)細胞なのです。これはガン細胞、細菌、ウイルスなどをいち早く発見し間髪入れず攻撃し、死滅させる警察組織で言えば機動隊のような細胞なのです。ほかにはT細胞という警察官や樹状細胞という犯人の人相描きの名人がいます。この細胞が収集したガン細胞などの情報( 指名手配書) を各交番( 全身のリンパ節)に張り出します。すると交番にいた警察官( Tリンパ球) が人相書きを見てその犯人( ガン細胞) だけを攻撃する特別捜査官( 細胞傷害性T細胞) に変身し、身体中に散らばったガン細胞を根こそぎ攻撃します。これらが十分に活躍していれば体は守られているのですが、ストレスや生活習慣などで捜査官たちの活動が低下したときに病気になるのです。

うちでしているこれらの細胞を活発にさせる治療の一つに、IMF(免疫調節因子)治療というものがあります。IMFを注射すると、これらの細胞の働きを強めるので、元気な人はもっと元気になるし、コロナになんかなりたくないという人も予防のために注射しています。僕も実際注射しています。ガン家系というのもあるし、発熱した人が毎日来ますから予防のためです。おかげでいつも元気です。このIMFは予防にも末期ガンにも効果があって、とても重宝しています。

中西 事務所の近くだし、私も注射してもらおうかな。

医療と心の融合へ

中西 先生はお医者さんであるけど、在家出家されている僧侶でもあるんですよね。

髙良 はい。神仏習合の考えなので、神様か仏様かわからないけど。僕は、体は医療が治すけど、それだけでは治しきれない。体にある魂の救済も必要だと思っています。僕は、心筋梗塞で一度臨死体験をしたことがあるんです。そこでの体験で、こういう世界があるんだったら別に死ぬのは怖くないなと思いました。どうせみんな死ぬのですから、それなら病気で苦しんで、恐怖の中で死ぬより、楽しいまま死んだほうがいいじゃないですか。

僕は70歳になったら引退してピンピンコロリ村を作ることが夢なのです。ずっと元気にピンピンしていて、天寿をまっとうするときはコロリと死ぬ。そんな村です。

中西 わぁ! いいですねぇ!

髙良 このクリニックでもラドン治療をしていますが、ラジウム温泉などの免疫力を上げる施設を作って、コンクリートじゃない土の地面で、中西さんのヒーリングも必要ですね。そういう村を作って、世界中からピンピンコロリしたい人を呼ぶんです。

中西 最高ですね。そのときはぜひ一緒に。

髙良 本当にそういう世界を目指しましょう。

(合掌)

「いやしの村だより」2021年2月号掲載

2/20 未来医療フォーラム2021「人生125年時代」の健康長寿のために~細胞の活性化が万病を救う!~

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