「13の月の暦」を普及させた故・ホゼ・アグエイアス博士の、日本において唯一の代理人である柳瀬氏は、昨年の「マヤ暦が終わるから、世界が滅亡する」というコミュニケーションがいかに人類として滑稽であるかを。そして、マヤの預言の真の意味について、お話をしてくださいました。

カレンダーは、宇宙の周期
本来の生命のリズムを取り戻し、
さらに進化を

対談:柳瀬宏秀氏×中西研二

柳瀬宏秀(やなせ・ひろひで)●環境意識コミュニケーション研究所代表。1997年にホゼ・アグエイアス博士より「13の月の暦」の普及について相談を受け、「コズミック・ダイアリー」を企画、15年間執筆している。2005年ホゼ・アグエイアス博士とパレンケの碑銘の神殿の中に入り、パカル・ヴォタンの墓の石室に降りる。2012年また、奇跡的に中に入る。2007年「カレンダーと環境」について故河合隼雄文化庁長官と対談を行う。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来24年間で21万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は8名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。長年のヒーリング活動が評価され、2015年に『東久邇宮記念賞』を、同年『東久邇宮文化褒賞』を受賞。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

カレンダーは宇宙の周期だと、知っていましたか?

中西 今回再び柳瀬さんに登場していただいたのは、世界的にマヤ暦のブームが起こり、しかしそれは終末論としてもてはやされてしまった。2012年12月21日を世界中に広めた故ホゼ・アグエイアスさんと柳瀬さんの意図とずれてしまったと思うのですが、その現状をどう思いますか?

『願いを祈りに』(左) 発行/環境意識コミュニケーション研究所 『マヤの予言とコズミックダイアリー2013』(中) 著者/柳瀬宏秀 発行/環境意識コミュニケーション研究所 『マヤの叡智の常識』(右) 著者/柳瀬宏秀 発行/環境意識コミュニケーション研究所

『願いを祈りに』(左)
発行/環境意識コミュニケーション研究所
『マヤの予言とコズミックダイアリー2013』(中)
著者/柳瀬宏秀
発行/環境意識コミュニケーション研究所
『マヤの叡智の常識』(右)
著者/柳瀬宏秀
発行/環境意識コミュニケーション研究所

柳瀬 「2012年は、あなたの進化のための日付です」と伝えてきました。「マヤ暦が終わるから、地球が滅亡する」世界中でそう報道されました。テレビでも、新聞でも、「地球が滅亡?」その根拠が「マヤ暦が終わるから」というものでした。

それを伝えている人たちが、地球滅亡の根拠となるマヤ暦のことを知っていたと思いますか?「マヤ暦が何かを知らずに、それが終わるから地球が滅亡する」かも、と伝えあっているというのは、論理的にあまりにも滑稽な姿だと思いませんか?

さらに、マヤ暦を知らなくても、人類は、「暦」、カレンダーが何かわかっているべきです。カレンダーが何かもわからずに、「カレンダーが終わるから、地球が滅亡する」と伝えあっているという不思議な光景でした。

まず、知ってほしいのですが、「時間は宇宙の周期」なのだということです。時間は、過去、現在、未来と一直線上に流れていくものだと教えられ、そう思っているかもしれませんが、マヤの時間は、宇宙の周期です。少し考えれば、あたり前の科学的認識です。

地球が太陽のまわりをまわる周期、公転が1年という周期です。日の出から日の出までの、地球が1回自転する周期が、1日という時間。小学生でも知っている事実です。時間は、「宇宙の周期」。そして、それが自然時間なのです。

繰り返します。1年とは、地球が太陽の周りをまわる「宇宙の周期」です。だから「1年が終われば、新しい年が始まります」。周期だからあたり前です。

人類が、どこかで、それをわからなくなっていたのではないでしょうか? 時間を一直線上に流れるものだと考え、無意識に年表のようなものだと捉えていた。カレンダーが終わる。そのあとの年表が白紙のイメージ。だから「世界の終わりだ」と思ってしまった。その間違った「時間の認識」を正す時なのです。

時間は宇宙の周期なのです。その宇宙の周期が、カレンダーなのです。マヤ暦もカレンダーです。時間がわからなくなった今の人類に、「時間の叡智」として、マヤの預言が出て来たのです。

中西 柳瀬さんの「コズミック・ダイアリー」は28日周期ですよね。

柳瀬 「コズミック・ダイアリー」には2つのカレンダーが入っています。ひとつが、28日周期で13カ月です。地球に影響を与えている宇宙の周期が28日だからです。『コズミック・ダイアリー2013』の44頁に、地上の生命に及ぼす3つの周期、「月の公転周期27・32日、満月の周期29・53日、太陽の対地球に対する自転の周期約28日」とあります。この3つの周期を考えると、28日周期の宇宙の周期があることを科学的に推論せざるを得ません。

宇宙に28日周期があり、その周期で全ての細胞、遺伝子が生まれ、育まれたわけです。肌の細胞の周期、女性の生理の周期が、28日になるのが自然です。宇宙の周期が28日、だから身体のリズムも28日なのです。

カレンダーを使うと宇宙の摂理がわかり、健康になる。それが本来のカレンダーなのです。

ところが、今のカレンダーは、31日、28日、31日、30日…ガタガタのカレンダーです。それは宇宙のリズムとも、身体のリズムとも無縁です。当然、自律神経がおかしくなります。「コズミック・ダイアリー」をつけると長年の生理不順が治ったという女性が続出します。彼女たちにとって「魔法の本」なのです。

もちろん、生理不順を治すために「コズミック・ダイアリー」をつくった訳ではありません。人間だけが、ガタガタの人工的な時間で生きることによって、地球上すべての人々の自律神経がおかしくなっているのです。木や虫の心がわからなくなって環境破壊を平気でしてしまうのです。

マヤの最初の預言の意味は、「宇宙の周期を取り戻せ」というメッセージです。自然時間で生き、環境問題を解決するように促しています。

高次元と共振する

柳瀬 ここからが「時間の叡智」です。時間は縦、横、高さの3次元ではない、ということを考えたことがありますか?物理学ではずっと、時間は4次元でした。3次元は空間です。

そして、マヤの神聖暦、ツォルキンは、「高次元の時間のカレンダー」です。今、理論物理学の世界では「5次元時空間」が最先端の理論なのです。ハーバード大学教授のリサ・ランドール博士が書いた「5次元時空間」の論文は世界で最も引用されています。ぜひ、youtube で「理論物理学者 リサ・ランドール博士 来日インタビュー」をご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=arKlj3pJQnc

科学を大切にする日本人が、物理学ではずっと4次元だった時間を、さらに、最先端の理論物理学で5次元と言っているのに、「時間は時計(2次元)」だと思っている。

500年前の日本に(機械)時計はなかったのですよ。500年前に時間はなかったのでしょうか?マヤの叡智は、ガリレオの1000年前に、地球の公転周期、火星の公転周期、金星の公転周期などを正確に測り(つまり地動説を凌駕していた)、さらに、高次元の時間の周期のカレンダーをつくっていました。

400年前にガリレオより少し、そして今、最先端の物理学がまた少し、「マヤの叡智」に追いついたのです。

中西 多くの人が5次元の世界と言うとSFの世界だと思っているのが現状ですよね。そうではなく、科学的にも存在を認められているし、実際我々のそばにあるということを認識するだけでも世界が変わってくると思います。

柳瀬 その通りだと思います。「虫の知らせ」を信じますか? と聞くと、日本人の9割近い人が虫の知らせを「信じ」ています。それは「体験」があるからです。少しおかしくないでしょうか? 9割の方が、体験があるのに、虫の知らせを信じますか?という言い方で、「信じる、信じない」の世界に閉じ込めてしまっているのです。

科学的に、どういう関係の間で「虫の知らせ」が起きるかを考えてみてください。親子、兄弟など血縁関係、夫婦、恋人、友人、恩師…深い関係においてです。つまり「共振の場」がある関係なのです。共振の場にある人間とは離れていても重要な情報は交換できることがあるということです。日本人は「あ・うんの呼吸」とか「以心伝心」という言葉があるように共振の場は得意の分野だったと思います。これから「共振の場」は新しい科学の重要なテーマになります。

中西 マヤの挨拶「インラケシュ」は「私はもう一人のあなた」という意味ですが、それも共振ですね。

柳瀬 講座「マヤの叡智」では一番最初に「インラケシュの精神」で人の話を聞くという訓練をします。相手の立場になって人の話を聞く、というのはあたり前だと思われるかもしれませんが、インラケシュして人の話を聞いたことが今までなかったことに講座で皆さん気づき、人生が変わります。

「共感」と、「共振」は違います。共感は自分の好きなもの。つまり、自分の見たいものしか見ていないのです。自分の常識を「無」にする「習慣」が重要です。

もう一つ、垂直につながる「共振」があります。「叡智」というと言葉は知っていてもほとんどの人は、何が叡智なのかわかっていません。

叡智とは何か?「アーユルヴェーダ、インド5000年の叡智」「漢方、中国3000年の叡智」「古代マヤの叡智」それらの共通性は、先天的に与えられているものだということです。人類の近代科学の研究によって進歩したものではないのです。

科学者が大発見をした時に「直感」という言葉をよく使いますが、それも叡智とアクセスしたということなのです。叡智とは、アクセスするものなのです。

マヤの預言、マヤの叡智は人類の進化の方法

柳瀬 「叡智」とは、今の常識とは違うから「叡智」。もっと、深い、あるいは高い視点からの認識があり、その「叡智」によって、人が進化できるから「叡智」なのです。マヤの叡智「ツォルキン」を使って高次元とアクセスすることによって進化できるということです。

中西 これからどういった展望で活動されるのですか?

柳瀬 2013年7月25日「時間をはずした日」に、世界に祭りを呼びかけます。祭りは精神界と現象界の循環です。「祭り」の魂と「祈り」で、地球を包みたいと思います。その日が銀河意識との同期のポイントになるかもしれません。

本当に叡智に繋がる人たちが、世界中で川の流れのように集まり海へと流れ、ひとつになるべき時代なんです。人類の進化へ向けてできることはしていきたいですね。

中西 これからの大きな海へ出て行く予感を私も感じます。今日はお忙しいところありがとうございました。

(合掌)

「いやしの村だより」2013年4月号掲載