もともと物理学専攻の理学博士として長年、大学の研究所や企業で活躍されていた川田氏。50代のとき、4年間無収入という極限状態の中で宇宙の根源・創造主と通じるようになり、さまざまな情報を得ることができるようになったそうです。「クリーニングすれば誰でも草花と話せるようになりますよ」、「歴史上の人物に会って、当時の真相を聞き出すのです。これが楽しい!」などと、奇想天外なお話をたくさんしてくださいました。

全ミネラル研究の第一人者が、
生命誕生の謎を科学的に解く

人は魂の成長のために生まれてくる

対談:川田 薫氏×中西研二

川田 薫(かわだ・かおる)●川田研究所・代表取締役昭和9年生まれ。理学博士。東京理科大学物理学科卒。東京大学地震研究所、東京大学物性研究所を経て、三菱金属中央研究所に入社。並行して科学技術庁、通産省(いずれも当時)などの研究員を歴任後、昭和63年に独立、川田研究所を設立。科学技術庁の外郭団体「科学技術振興事業団」の「さきがけ研究21」でミネラルの研究を行う。さまざまなミネラルの作用を発見し、その成果を応用した。生命の起源探究を行う。
http://www.kawada-labo.com/

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来24年間で21万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は8名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。長年のヒーリング活動が評価され、2015年に『東久邇宮記念賞』を、同年『東久邇宮文化褒賞』を受賞。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

ミネラルは、生命にとって重要な物質

中西 先生の『いのちのエネルギー』を読ませていただきました。生命の誕生という神秘的なテーマを科学の側面で解説されていてたいへん感動しました。もともとはどんな研究をされていたのですか。

川田 物理が専門でしたが、50代のころ三陸海岸で断崖絶壁に生えている樹木を見て「土がないのに!?」と感動したのです。このことがきっかけで生命科学にかかわることになりました。土のない岩場でも自ら酸を出して岩場を溶かし、自分が成長するために必要なもの(ミネラル)を吸収しているのです。それならば根もとの岩を持ってきて植物が吸収している物質を抽出すれば、人間にとっても有効な成分が得られるのではないかと考えたことがきっかけです。

一方で、地球上に生命が誕生してから30数億年たっていますが、誕生から現在にいたるまで、すべての生物は海の中のミネラルと同じ物質を有しています。ということは、生命にとってミネラルは決定的に重要な物質であることがわかります。ミネラルを含んだ海水は生命が生まれた源ですから、いくつかの岩を持ってきてミネラルを抽出すれば、すべてのことに応用できるのではないかと考えました。

(左)「生命誕生の真実」(新日本文芸協会) (右)「いのちのエネルギー」(新日本文芸協会)

(左)「生命誕生の真実」(新日本文芸協会)
(右)「いのちのエネルギー」(新日本文芸協会)

中西 その発想の中から「命の水」というミネラル水ができたのですね。

川田 はい。そのころ、科学技術庁(当時)の外郭団体が立ち上げたプロジェクトにミネラルの研究で参加することができました。『いのちのエネルギー』はそのときの3年間の研究成果をまとめたものです。

中西 生物にとって重要なミネラルを研究されている過程で、生命誕生のメカニズムを発見されたのですね。

川田 そうです。生命を獲得したどんな生物も、まず肉体が先にできて、それから生命エネルギーがその肉体に入ります。そして、その生命エネルギーに意志と意識があることを証明しました。

この本ではラットの生命エネルギーの重さで証明していますが、肉体から生命エネルギーが外れていく様子がグラフに出ています。グラフでは心肺停止した後に再び振れていますね。肉体から外れたり元に戻ったりを繰り返しています。最後に外れて離れていくわけですが、あきらかにラットは自分の意志と意識でそれをやっています。これは生命エネルギーの存在を示す決定的なデータになります。

人間も受胎後2、3カ月たって、人間として成長していくということが明確になる時点で生命エネルギーが入ってくるわけです。生命エネルギー(魂)である意志と意識は自分の欠点をよく知っています。その欠点を修正するために体を求めるわけです。当然、意志と意識は親の考え方はわかっているはずです。

どの親のところへ行けば自分の個性を認めてくれて、欠点を修正できて、自分の行動をサポートしてくれるのか、そういう親を選ぶわけです。それを見極めるために2、3カ月かかるわけです。そこでさらに成長し、その過程の中でさまざまなことを学びながら、この世に人間として生まれてきます。そして、肉体を借りて自分の魂を修正するのに何年修行するかを決めて降りてきます。これが寿命です。

さらに、生まれてからどんな仕事をして使命を果たしていくのかなどを設定します。このようにたいへん綿密な計画の上に生まれてくるのですから、どの生命体にとっても「誕生」はかけがえのないすばらしい宝なのです。そのことに気づいて貴重な人生を有意義に送るのか、あるいは無意味に生きてしまうのかということが、魂の成長に大きく影響してきます。

創造主は「絶対なる静寂」

中西 なるほど。すると肉体は魂の成長のために必要なのですね。成長の度合いはわかるのですか。

川田 クリーニングすればわかります。人はさまざまな感情や体験を持っています。特にマイナス感情や嫌な体験が溜まってしまうと、自分の本質がわからなくなります。だからそれを消してきれいにすれば天に通じます。天に通じればすべてがわかります。クリーニング法は、「ありがとう」、「ごめんなさい」を言葉にすることで行っています。この方法でたくさんの人が天に通じるようになりました。

中西 天に通じるとおっしゃいますが、先生は生命の源・エネルギーの根源のような方と対話されていらっしゃるのですか。その方は、宇宙全体を創った存在なのですね。

川田 はい。創造主に「会いたい!」と言えば会えます。「絶対なる静寂」としてここに現れます。万物はそこから生まれています。

中西 絶対なる静寂!?

川田 はい。存在は感じ取れるのですが、言葉にできないのです。瞑想の極地とは、まさしくそこなのです。これはすごい世界です!

例えば、ユリの花をじっと見ていると、まず形があり香りもしますね。つぎにそれを半眼でイメージすると形だけ残してユリの本質を消すことができます。最後に形も消してしまいます。すべてを消すと「完全なる空」になります。「空」とは、無ではなく存在するけれど認識できないモノをいいます。そういう状態に入ります。そこからもう一度こちらに戻ってきて形だけを出現させると、「ああ、やっぱりユリはこういう形だったな」と我に還ります。そして「完全なる空」の中から新しい生命エネルギーが生まれてくる、ということがわかります。これは素晴らしい世界です。

高野山は瞑想の極地

中西 空海の教えを体現されていらっしゃるのですね。

川田 はい。今でも高野山には毎月一週間くらい行っています。火の気のない極寒の中の体験は雑念が消える絶好の場所です。雑念が消えると山そのもの、自然そのものになります。人間でなくなってしまうのです。

私は、空海は大勢の弟子の雑念を一度に消すための修行の場に自然の力を利用したのではないかと考えました。それで高野山をあちこち歩いてみたのです。そこですごいことを発見しました。樹齢4、5百年の杉の大木が至る所にありますが、左にねじれた木と右にねじれた木の間に0地点、渦流(うずりゅう)の空間があることに気づいたのです。

大地から空間に向かって渦流が立ち上っているのです。エネルギーの柱(はしら)です。そこはものすごく爽やかで雑念が自動的に消える場所だったのです。高野山には至る所にエネルギーの渦流があります。空海は「瞑想の極地」を高野山の自然の中に求めたのでしょうね。そういうところに立つと雑念が消えるだけでなく、自分がこの世に生まれてきて何をやらなければいけないのかがわかります。本質的なことだけがわかりますから、本当に楽しいです。

中西 物理を語りながら精神世界も語ってしまうという、たいへん楽しいお話ですね。

川田 そうですか。昨年から、密教文化研究所の仕事をしているんですよ。空海の言っている六大とは、この世に存在する地・水・火・風・空の五大に意識・識大を加えたものです。つまり物質に意識を加えて、これらが一体不可分であるというのです。

例えば、細かい部品を集めてカメラを組み立てます。部品の合計重量と完成したカメラの重量は違います。意志と意識は機能を果たすためのエネルギーを復活させます。つまりカメラとして機能するために組み立てる人の意識が作用した分、重量が加わるのです。こうして意識エネルギーの存在を証明します。

私たち生命体も意志と意識エネルギーが抜ければ物体そのものでしかありません。物体はやがて消えていきます。「死」です。空海が1200年ほど前に「六大は一体不可分」とした意味がそこにあります。

新しい時代のエネルギーと農業

中西 先生の今後の興味はどちらにありますか?

川田 今取り組んでいるのは、エネルギーを必要なときに必要なところで作るための材料開発です。あるとき、高圧線の鉄塔が次々に倒れていくイメージを創造主に見せられて、これからのエネルギーがどういうものかわかりました。このエネルギーを生み出す材料を完成させればいいのです。それができると、次は回転系の開発です。磁石を使うので超高速回転が可能です。そうすると乗り物のシステムがすべて変わります。

中西 楽しみですね。先生のミネラル水は農業にも活用されているのですね。

川田 グリーンオーナープロジェクトの大下伸悦さんにお会いする機会がありまして、一目でこの人は日本の農業を変える人だと直感しました。今、大下さんが紹介してくれた風天(ふうてん)さんの水と私のミネラルを合わせた水がものすごい勢いで変化しています。その水を使っていろいろ実験をしていますが、野菜の収穫日数は半減し、収穫量は2倍です。こんど米作りに挑戦しますが、収穫目標を田植え後2カ月にしています(笑)。

中西 え~(笑)。

川田 だからもう食糧難など心配する必要はありませんよ(笑)。

中西 そう言えば以前、大下さんもそうおっしゃっていましたね(本誌2009年4月号対談参照)。今日はたいへん貴重なお話をありがとうございました。

(合掌)

 

「いやしの村だより」2013年3月号掲載