2011年6月号
今できる唯一のことは、
内側の静寂と、
そこからの答えに忠実であること

NPO法人JOYヒーリングの会理事長・ヒーラー
中西研二(ケビン)

私たちは無力であると知ること

3・11から3カ月が経過しようとしています。広範囲に広がった被災地も急ピッチで復興に向けて動き始めています。しかし、まだまだ予断は許されず、余震がいつ起きるのかわからない状態です。

しかも福島第一原発事故の波紋は当分止みそうもありません。特に放射能汚染の問題は深刻で、福島市、郡山市などでは、いつ避難地域になってもおかしくないくらいに汚染が広がってきています。この周辺の会員の皆さん、特に小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、どうすればいいのか分からないのが現状だと思います。

しかし、政府の発表はすべてそのまま信用できるものではない、という声も聞きます。大気の状態も測定時間、場所を限定し、最も数値の小さいものを選んで発表しているようです。5月に入ってからも、3号炉から白煙が上がっていたことも、海外メディアだけが報道し、政府は公表しませんでした。

海の汚染についても深刻です。高濃度の放射性物質が含まれた冷却水が、今もなお流されています。政府のしている魚の検査数値は、最も放射性物質がたまりやすい内臓や外皮はすべて取り除いて測っています。これでは本当の真実がわかりません。禁漁になった小女子(こうなご)は小さ過ぎてそれができなかったからだ、という話もあります。いずれにせよ海外では、日本政府の発表は、まったく信用されていません。こんなときは疑心暗鬼になって混乱が増すばかりです。

こんな折、伊東さくらさんが掲載してくださったバガヴァンのスカイプダルシャンの質疑からの一文が届きました。

「分析は消耗させます。みんな他人を変えようともがきながら、常に他の人を理解、分析、ジャッジしようとしています。

いったん分析は上手くいかないと気づくと、あなたはどうしようもなく思うでしょう。そして次に、あなたが自然にすることは、無力感を感じ、その問題に留まります。それは雛(ひな)が卵からふ化するようなものです。あなたは問題と共にいる必要があります。それからその問題はふ化して解決が表れます」

結局、私たちは、あらゆる意味で無力です。自分の力で正しい選択をすることは不可能と知ることです。

学ぶものは何もない。ただ捨てるだけ

確かに分析は消耗させますね。何が正しいのか、何が本当なのか、それはどこまでデータを集めても分からないことばかりです。

「目覚めた者は、学ぶものは何もないことを知っている。必要なのは、ただそれを捨てることだけです」(バガヴァン)。

私たちにできる唯一のことは、心の内側を静寂にして、そこからやってくる答えに忠実であることです。「目覚めるには情熱が必要です。目覚めを求める者は誰でも、自分の人生が強烈に凡庸であることに気づく必要があります。あなたがどんなに成功しているか、どんなに有名かは問題ではなく、あなたが目覚めるまで、そうならない限り、あなたの人生はただ凡庸なのです。このことに気づかない限り、目覚めの情熱はないでしょう」

(合掌)