2008年9月号
「すべてはわが内側が
創り出したもの」
そのことに気づくことで
ワンネスが始まります

NPO法人JOYヒーリングの会理事長・ヒーラー
中西研二(ケビン)

水俣湾の復活で地球は「ひとつ」と気づく

今年も暑い夏でした。年々気温が上昇し、それに伴った、地球の生態系の変化も著しいものがあります。これから地球は、人類はどうなってしまうのだろうと心配している人も大勢いらっしゃると思います。その辺のところは専門に取り組んでいる方々にお任せして、地球の自浄能力のすごさに驚かされた出来事があったので、皆さんにもお伝えしますね。

今から50年以上前に起きた水俣事件は憶えているでしょうか? 日本窒素の工場排水の中に含まれていた有機水銀が水俣湾を汚染して、その湾内で獲れた魚介類を食べた人たちに、体の変型、痛みなどを訴える人が続出、たくさんの人たちが亡くなられたため、住民が集団訴訟を起こし社会問題化した、いわゆる公害問題としては最大級の水俣病です。

今水俣湾はどうなったのでしょうか。実は、美しい海が戻ってきているのです。海の中で何が起きたのかというと、海を汚染した有機水銀を食べるバクテリアが大量発生し、すべて食べ尽くしてしまいました。しかもそのバクテリアは海がきれいになると生きていけなくなり、今はいなくなりました。湾内を回遊する魚たちは豊富になり、前にも増して豊穣の海となったそうです。

やっぱり地球は、とてつもない英知を持っていて、人智の及ばない自浄システムがあるといわざるを得ません。ところが地球温暖化に伴うCO2対策を全世界で取り組む事は、地球が全体としてひとつの生命体であり、すべてのものはつながっていて、片方を否定して成り立つものではない、という認識に立つわけです。それは、とても大きな意義があります。

もし地球人類が、そのことに本当に気づけば、自分を否定して他者との関係が成り立たないという人類社会の関係性だけではなく、すべての生命体ともつながっているんだという視点に自動的に立つことになるわけです。そういう意味では、新しい価値感が大いなる目覚めの時期に来たともいえます。

「成功哲学」は現代人の聖書?

しかし、現実にはそう映らないこともあります。例えば、平和の祭典といわれているオリンピックがそうでしょう。どこが平和の祭典なのでしょう。世界中の国々が国の威信をかけて、ナショナリズムの発揚のために競い合っているにすぎません。4年に一度、各国の代表が集まって、世界で最も強く、速く、高く、遠くへの記録を競います。そして各種目別にメダルを取り合っています。

正直、私も小学校から一貫してスポーツを学びましたから、他人より上になることが、人生にはとても重要だと教えられてきました。だから競い合うことも好きですし、オリンピックの日本のメダル獲得数が気になったりします。しかし、果たしてそのことが本当に人類社会を幸せにしたでしょうか。一人の勝利者を出すために世界中の人が負け組になるようなものが、どうして平和の祭典なのでしょうか。

現代社会は、すべての面で競争の原理が働いています。学校教育で大切なことは、数学や英語などの知識を教えることだけではなく、人生の意味、人は何のために、どこからやってきたのか、などを考える能力を身につけることの方が大切だと思うのです。それから人と人とが分かち合い、助け合って生きるとはどういうことなのか、体験を通して味わうことも必要でしょう。

ところが今の学校は、難易度の高い大学に入学できるテクニックばかりを教えているにすぎない気がします。だから学校が面白くないのです。しかもその先に待っている社会にはすでに夢や希望さえ失われつつあります。登校拒否や学級崩壊、ひいては自殺者が増加しているのも当然といえるでしょう。

競争原理も私たちのマインドの結果

実は、経済のグローバル化に最大の問題があります。弱肉強食の経済論理は、容赦なく世界中を席巻しています。ついこの間まで世界中で最も格差の少ない社会も、経済の自由化の中で格差社会へ突入してしまいました。

誰のせいでもありません。すべては私たちのマインドが創り出した世界なのです。ですから、あらゆる犯人捜しは無駄ですし、結局、外側に答えは存在しないのです。私たちは、マインドの考えを信じ、常に前向きに生きることを是としてきました。現代人にとって聖書とは「成功哲学」です。成功し続けることが、最高の人生だと思ってきました。そこには常に「自分」しかなく、それ以外は「自分」を高めてくれる者が、戦う敵です。マイナス思考が最も持ってはいけない者になってしまっています。

私は思うのです。人生はドラマです。日本の最もロングランのドラマといえば「水戸黄門」でしょう。皆さんも一度は見たことがあるでしょう。もちろんドラマは「勧善懲悪」仕立てで、スーパーマン的ヒーロー水戸黄門の前に、次々と悪代官や越後屋が登場してきます。そして、その代官や商人にいじめられる役がいて成立しています。

私たちの人生も全く同じで、成功も失敗も、善も悪も、病気さえも望んで与えられたものです。いろんな人、いろんな人生があっていいのです。すべての人が、生きとし生けるものすべてが同じ生命体なんだと気づくまで、ドラマを続けているにすぎません。

10年続いたプロジェクト「ハリーポッター」がついに完結したように、人類のプロジェクトも大詰めに差しかかりました。善も悪も、すべてはわが内側のマインドが創り出したもので、それさえも分離はないんだと気づくとき、ワンネスが始まります。

「愛」の象徴としての♥マークはなぜ、左右がくっついてできたようになっているのでしょう。もうお分かりですね。すべてのものが「ひとつ」に融け合う象徴なんですね。私が心から求めているのが、それなんです。ということは、全人類が求めているものも「愛」につきるということになります。すべての人が喜びにあふれる日がやってくるのを願って。

(合掌)