対談:西脇俊二氏×中西研二『「ガンが消える」の真相に迫る!!』

2016年12月の「わくわくケビンのここだけの話」でお伝えしたビタミンC点滴と断糖を使ったガン治療のお話は大変反響がありました。今回はその治療を行っているハタイクリニックの西脇俊二氏にお話をうかがい、ガン治療だけでなく、糖質過多な現代食生活の弊害についても教えていただきました。

「ガンが消える」
の真相に迫る!!

対談:西脇俊二氏×中西研二

西脇俊二(にしわき・しゅんじ)●ハタイクリニック院長。弘前大学医学部卒業。1991年~1996年国立国際医療センター精神科。1996年~2007年国立秩父学園医務課医長。1992年~2007年国立精神・神経センター精神保健研究所研究員。2007年~大石記念病院(足立区)。2008年~皆藤病院(宇都宮)、金沢大学薬学部非常勤講師。2009年~ハタイクリニック院長(目黒区)。2010年~European University Viadrina非常勤講師。『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系列)などメディア出演も多数。『ATARU』『相棒』『半落ち』などのテレビドラマで医療監修を務める。主な著書に『断糖のすすめ 高血圧、糖尿病が99%治る新・食習慣』(ワニブックス)、『3日で痩せる脱糖ダイエット!』(主婦の友社)などがある。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来24年間で21万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は8名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。
長年のヒーリング活動が評価され、2015年に『東久邇宮記念賞』を、同年『東久邇宮文化褒賞』を受賞
著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

ガン細胞はブドウ糖をエサにする

中西 西脇先生のクリニックで行っているガン治療は、末期のガンでも副作用なく治療すると評判です。

ポイントはビタミンC点滴療法と断糖、いわゆる糖分をとらない食事療法になると思いますが、例えばビタミンCでは食べ物やサプリメントなどからもとれますが、それとはどう違うのでしょうか?

西脇 量の違いです。ガンの治療で使用するビタミンCは1回あたり100グラムを超える場合もあります。その量を食事やサプリメントだけではとても補えません。

その大量のビタミンCがガン細胞の中に取り込まれると、過酸化水素という毒性の強い酸化物を作ります。それがガン細胞を死滅させていくのです。

ビタミンCはもともと抗酸化物質で、体の疲れなどをとってくれるのですが、ガンに対しては酸化物質として作用するという特殊な性質があるのです。正常な細胞には酸化作用を及ぼさないので副作用のない天然の抗ガン剤です。

中西 ビタミンCが、ガンを消滅させるわけですね。それから断糖ですが、なかなか実践するのに覚悟が必要ですね。

西脇 食事の習慣を変えるのは大変ですからね。でもビタミンCだけだとそれほど効果が出ません。

ガン細胞というのは主にブドウ糖をエサとして成長しています。ガンのように短時間で爆発的に増殖させるには、ブドウ糖のようなエネルギーが必要なのです。ガンができると、体内に取り込まれたブドウ糖はいっせいにガン細胞に集まります。

PET検査というガンが体のどこにあるか調べる方法があります。それはブドウ糖を利用していて、体内にブドウ糖類似物質を取り込むと、真っ先にガン細胞の周りに集まってくるのです。そうやってブドウ糖が集まる箇所にガン細胞があるということが仕組みなのです。

中西 ガンがどれだけブドウ糖が好きかわかる検査ですね。

断糖でエネルギーを絶ち、ビタミンCで攻撃!

西脇 そこで糖質をとらないようにすると、ガンはビタミンCを求めるようになります。なぜかというとビタミンCとガン細胞は非常に似た化学構造をしているからです。糖だと思ってビタミンCを取り込んだガン細胞は、ビタミンCが作り出す毒で消滅していく仕組みなのです。

中西 やはり断糖というのが一つのポイントになってきますね。主食はどうなりますか?

西脇 まず主食、副食という発想をなくすところから始めます。肉や魚介類、豆腐、お酒なら蒸留酒が飲めます。そういうものを居酒屋のメニューのように何種類かを食べるようなスタイルが合っています。パスタや丼のように一種類でお腹いっぱい食べる炭水化物メインのメニューは食べれなくなりますね。

中西 そうすると私は甘いものもご飯も好きなので、相当な決意が必要ですね。糖分を減らしていくのではなく、糖質をゼロにすることが大事なのですか?

西脇 糖質をゼロにするのはかなり難しいです。ですが、例えば糖質を半分に減らしても、摂取した半分の糖質はまっしぐらにガン細胞にいってしまうので中途半端にやっても意味がありません。

ガン治療の場合、摂ってもいい糖質摂取量は1日5グラムとうちでは伝えています。

中西 5グラムってほんの少しですね……。

でも糖をとっていると、ビタミンCがガン細胞に集まってこない。

西脇 そうです。ブドウ糖でお腹いっぱいのガン細胞は、似たような構造のビタミンCをあえて摂取してくれないから効率が悪いです。

糖質過剰摂取の現代社会

中西 先生はもともと精神科医でいらっしゃいますが、その経験が生かされているような感じがしますね。

西脇 恩師が「糖尿病患者に鬱病が多い」と気づいて、糖質と精神疾患の関係について研究をしていました。その影響を受けて、最初は精神科のサイドから糖質制限を提唱していったのです。

中西 鬱病に糖質制限は効果的なのですか?

西脇 糖質をとるといわゆるインシュリンが高い状態が続きますが、それが結果的にドーパミンを低下させるのです。その状態が鬱状態ですから。

分かりやすく説明すると、お昼ご飯を食べた後に眠くなる人がいますよね。あれはドーパミンが低下している軽い鬱状態なのです。糖質制限するとその眠気がなくなるので、ある有名な進学校ではお昼ご飯を糖質抜きにして、午後の授業の眠けを防止しているそうですよ。

あと糖質は交感神経を刺激している状態になるので、精神的な緊張状態が続きます。だから糖質を抜くと緊張が和らいだり、不安感がなくなったりします。

中西 本当に糖質というのは体にも心にも悪い影響があって、万病のもとといった感じがしますね。

西脇 糖質は人の運動に必要なエネルギーです。でもいまの日本の食生活では、運動選手でもない限り、たいていの人は糖質過多な状態になっています。過剰に摂取した糖質は「害」になるのです。

糖質の過剰摂取により、消費しきれなかったブドウ糖は脂肪に変化して肥満のもとになったり、慢性炎症という状態を引き起こします。慢性炎症とは、急性のように熱や痛みが伴わないので分かりづらいのですが、ほとんどの病気はこれが原因だと言われています。

そして過剰に摂取した糖質が脳内に巡ると、βエンドルフィンという物質の量を増やします。これがいわゆる脳内麻薬と呼ばれるもので、「美味しい! もっと食べたい」という中毒性を引き起こすのです。だから必要以上に糖分を欲するようになるのです。

中西 やめるならきっぱりやめないと中毒状態が続きますね。

先生のクリニックでは、ガンの治療の場合、月にどれくらい点滴するものなのですか?

西脇 ガン治療の場合だと週3回を推奨していますが、これだと遠方の方は現実的に難しいので、在宅で点滴できるような方法もあります。在宅だと時間的に余裕が生まれるし、治療費も安くなります。

また、ガン細胞は夜中に増殖することがわかっているので、その時間に点滴できるというのは治療の意味からも効果的なんですね。

中西 抗ガン剤として使っているのに副作用がないのが素晴らしい。

西脇 ビタミンCは抗酸化物質で、通常の抗ガン剤の副作用もかなり和らげてくれます。抗ガン剤にも併用されるようになれば治療の効果も上がると思いますので、そういった意味でもビタミンCが保険適用になってくれればいいのですが。

中西 糖質を絶つことでガンの増殖を止め、似たような化学構造のビタミンCを取り込ませて消滅させる。複雑そうで意外と簡単な仕組みなんですね。

西脇 そうやって回復しながら、ガンを引き起こしたストレスなどの原因をなくしていき、自己免疫力を上げることが大事です。

中西 ガンに苦しむ人は多くいるので、今日のお話で本当に明るくなりました。お忙しいところありがとうございました。

(合掌)

「いやしの村だより」2017年1月号掲載