水筒も持たずにペルーのマチュピチュに登ったという秋山さん。「あそこの山は素晴らしいエネルギーに満ち溢れていますから、水なしでも大丈夫!」と笑顔で話されます。弁護士という左脳型の職業でありながら、不食を始めてからプラーナ率500%という驚異的な心身を維持される秘密はどこにあるのでしょうか。伺ってみました。

不食は、愛の飽食を生む

秋山佳胤氏×中西研二

秋山佳胤(あきやま・よしたね)● ロータス法律特許事務所 弁護士・医学博士。1969年東京生まれ。1992年東京工業大学理学部情報科学科卒業。1998年弁護士登録(東京弁護士会)。2008年ロータス法律特許事務所設立。
知的財産権管理を専門とする弁護士。2012年医学博士号(代替医療)取得。日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)・英国ホメオパシー医学協会(HMA)。認定ホメオパス。
2011,12年熱帯雨林保護のミッションでアマゾンを訪問、地球サミット参加。熱帯雨林保護を目的とするN G Oグリーンハート理事。2012,13年、平和使節団としてパレスチナ、イスラエル訪問。コーヒー豆の焙煎歴は25年を超え、「ロータスコーヒー」として提供。シンギング・リン奏者。著書に『誰とも争わない生き方』(PHP研究所)、『食べない人たち「( 不食」が人を健康にする)』『食べない人たち ビヨンド(不食実践家3人の「その後」)』 (共著、マキノ出版)などがある。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来23年間で21万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は8名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。長年のヒーリング活動が評価され、2015年に『東久邇宮記念賞』を、同年『東久邇宮文化褒賞』を受賞。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

過食は感情的な飢餓感の代償行為

中西 不食を実践されている方に何人もお会いしましたが、水も飲まない方は初めてです。

秋山 先日マラソン大会に参加しましたが、その日も一滴の水も飲みませんでした。汗はたくさんかくのですが、喉の渇きが一切ありませんでした。水やスポーツドリンクを飲むとその分、消化や排泄のためのエネルギーを使うので、むしろ余計なエネルギーを使いたくなかったのです。

中西 不食を目指したのは、どういうきっかけだったのですか?

秋山 たまたまジャスムヒーンさんのワークショップに参加した人から「とてもよかった」と聞いたからです。

魂を癒すと言われる木製弦楽器のライアー。いま秋山氏は、ライアー作りに夢中

魂を癒すと言われる木製弦楽器のライアー。いま秋山氏は、ライアー作りに夢中

中西 『神々の食べ物』(ナチュラルスピリット刊)の著者で、不食を実践されている第一人者の方ですね。

秋山 そうです。そのときのチラシに載っていた彼女の笑顔にとても安らぎを感じて会ってみたくなったのです。私は理系の思考をするので、食べ物なしで過ごせるなんて思ってもいませんでした。ただ彼女に会いたいという理由でワークショップに参加したのです。前日からお腹を壊して何も食べずに参加しましたが、ワークショップを受けている間、体調はどんどん良くなっていきました。そして、不思議とお腹が空かないのです。彼女の放つ圧倒的な愛のパワーに満足して、お腹が空かないのです。

中西 肉体よりも精神的に満たされていったのですね。

秋山 精神的に満腹でした。現代人、特に先進国では、栄養不足による病気よりも、栄養過多で病気になる人がほとんどなのです。飢えは、肉体的な飢えもありますが、実は感情的な飢えというのが大きくて、必要以上に食べるというのは感情的な飢餓感からくる代償行為です。子どもが寝食を忘れて夢中で遊んでいるようなときは精神的に満たされていて、体の内側からエネルギーがわいてきます。それはどのようなものにも変換できる宇宙のエネルギー、愛のエネルギー、命のエネルギーです。このエネルギーは循環していて、滞れば病気になります。神道の世界では、流れが滞ったら穢(けが)れを払うという儀式で再び流れを良くします。これが私たちがずっと大事にしてきた意識かなと思います。このエネルギーをジャスムヒーンさんは「プラーナ」と呼んでいます。プラーナを摂取することで、物質的な食事を摂(と)らなくても体を維持することができます。

中西 では食事ではなく、プラーナを頂いているということですね。

秋山 そうです。だから、私は不食と言わずに「愛の飽食」と言っているんですよ。命のエネルギーを溢れるほど頂いています。

脳波を高周波にすることがポイント

中西 不食をするまでに、どんなプロセスがあったのですか?

「いつも19歳と言っています。実際の19歳の頃よりも元気ですけど」

「いつも19歳と言っています。実際の19歳の頃よりも元気ですけど」

秋山 ジャスムヒーンさんのガイドラインに沿って、2年くらいかけてゆっくり体が変化していきました。徐々に食事の量と質を減らしましたが、この間に無理に食事を我慢したりせず、すべて自分の肉体と対話して欲するものを求めていたので、とても楽しく進められました。ご飯を食べる代わりに太陽の光を浴びに行くこともありました。太陽からプラーナを摂取していたのです。太陽や大地、大気中には命のエネルギーが満ち溢れています。森の中で元気を取り戻すという感覚は、実はプラーナと十分交流できたからです。

中西 そうかぁ。不食は、プラーナとの交流が活発になり、精神的な安定が得られるのですね。

秋山 そうですね。食べ物を減らすコツは、いかにリラックスできるかということなのです。意識に影響する脳波で言うと、緊張とか競争の脳波はβ(ベータ)波です。β波の脳波ではプラーナの摂取はなかなか難しい。なぜなら、プラーナはエネルギーですから、物質よりも高周波です。共鳴の原理で言えば、高周波のものを引き寄せるには、脳波を高周波にする必要があります。リラックスしてくるとα(アルファ)波が出てきます。α波やさらに高周波のθ(シータ)波が出てくると、プラーナの摂取が高まってきます。θ波の意識状態を24時間保つことができれば、水もいらなくなります。

プラーナ摂取率は限界がない

秋山 最初のワークショップに参加してから初めて食事をしたのが8日後で、フレンチのフルコースでした。

中西 いきなり? 普通なら死んじゃいますよね?

秋山 断食の先生にこの話をすると非常に怒られます(笑)。ただ、私のやっていることは断食ではありません。断食とは食事を制限して、再び日常生活に戻るプロセスを含む行為です。断食している期間は非日常なのです。ところが私は食事を制限するわけではなく、プラーナ食をいっぱい頂いていましたから、いきなり食事をしても体にダメージはありません。

中西 体の中でどんな変化が起きていたのでしょうか。

秋山 2回目のジャスムヒーンさんのワークショップに参加したときのことです。プラーナの摂取率を計る一種のオーリング的なテストがありました。そのテストではプラーナ100%という数値が出ました。それから水をとることをやめました。

中西 プラーナ100%の摂取率とは、体を維持する栄養素をすべてプラーナでまかなっているということですね。すごいですね。

秋山 それで終わりじゃないのです。

2年後また同じテストをすると100%以上と言われ、またその2年後は200%以上、さらに一昨年のテストでは、500%以上だということでした。それでプラーナの摂取には制限がないんだと思いました。そうなってくると何を食べてもいいということです。

中西 どういうことですか?

秋山 例えばプラーナ摂取率90%だったら10%は通常に食べないと体を維持できないわけです。それが100%になれば食べなくてもよくなります。100%を超えれば余分なエネルギーを使っても体を維持できます。食事による消化・排泄というエネルギー消費で体に負担がかかりますが、有り余るほどのプラーナを保持していれば、何を食べても体内のプラーナ量は十分に余裕があるということです。私も肉体を持っている以上、食事をみんなでいただく楽しみはあります。でも食べなくてもいいし、食べる自由というものが私にはあるということです。

中西 なるほど。お見受けしたところ、お肌がピカピカに輝いていますけど…。

秋山 いつも頭を空っぽにしているからでしょう。空っぽのところに夢を詰め込んで子どものように楽しく過ごしているので、子どものような肌になるのかもしれません。

中西 大変興味深く、素晴らしいお話を伺いました。お忙しい中ありがとうございました。

(合掌)

「いやしの村だより」2016年2月号掲載