2015年2月号
私たちの旅が
終わることはありません。
至福の時は永遠に続いていきます
NPO法人JOYヒーリングの会理事長・ヒーラー
中西研二(ケビン)
すべては変化し、進化していきます
私の中では一番の大仕事、「インストラクター養成講座」を終えて、ほっとしたところです。
今回は73名の参加者で、皆さんそれぞれに満足して帰られました。
セミナーに一度でも参加された方はご存じですが、私のセミナーに台本はありません。すべてアドリブで組み立てていきます。もちろんヒーリングの仕方は、そうではありませんが、伝え方に台本がないのです。しかもヒーリングは21年間、毎年のように進化していますから、毎回伝えることが変わっていきます。
ヒーリングの世界はたくさんのやり方があって、それぞれが独自のやり方を伝えていますが、進化し続けているのは「JOYヒーリング」だけかもしれません。
合気道の達人、廣澤英雄氏にお話を伺ったことがあります。氏は合気道の開祖植芝盛平の最後の内弟子で、廣澤氏にだけ伝えた技を、弟子たちに伝授しています。
「開祖は、同じ技を伝えていたわけではなく、変化していきました。今伝えられている多くの合気道は、その時々の教えに基づいたもので、開祖が最終的に到達したものとは違います」
この話を伺って、共感を覚えました。
大学時代、さまざまな教授の講義を受けましたが、その中で最もつまらないのが、古い大学ノートを持ってきて、それを黒板に書き、学生がそれを書き写すという授業でした。次に面白くないのは、その教授の自論を十年一日のごとく伝えているものでした。私が出会った最高に興奮した講義がありました。その先生は、毎回の授業の冒頭で、
「昨夜気づいたことをお話します」
「昨夜読んだ本の中に、こんなのがありました」
という切り口から始まるのです。これぞ大学の授業だと感動しました。
決して若くない研究者の止むことのない情熱を感じて、毎週どんなことがあっても受講したものです。
以来それは、私の生き方になりました。古いものや、到達したものにこだわることなく、もっと先を見て人生を生きる。今までより優れたものを発見したら、それまでのすべてを捨てて、それに没頭する生き方を続けてきました。どうやら、私のヒーリングが変化し続けるのも、その生き方のせいといっていいでしょう。
「マニュアル化」すれば誰でもできるようになるし、セミナーも簡単にできます。
西洋の合理主義はとても優れています。
たくさんの企業が成功するのは、「マニュアル化」によるところが大きいことは百も承知です。
しかし、参加者一人ひとりの個性を大切にして繊細に織り上げる手作りの良さが、私の求めているものなのです。伝える側の汗のほとばしるような真剣な姿勢と、受講生一人ひとりの真っ直ぐに向き合う意識の緊迫感を大切にしたい。それはちょうど、映画やテレビには感じることのないライブの良さといったものです。
今回もそうでした。私はいつものように、私自身が何をどう始めたらいいのか、まったく決まっていない状態でスタートしました。3泊4日のセミナーは最後まで「今」という瞬間を大切に進行し、終了しました。
ここからまた、ヒーリングは間違いなく進化します。進化の波は、私がこの世界から去るまで続くでしょう。否、その後も、それが真理なら尽きることなく進化し続けるでしょう。
内側は今、とても静かです。この世のすべてのことに感謝しています
それにしても、私は幸せ者です。たくさんの素敵な仲間に助けられて、この21年間やってきました。
始めた時は、私の妻と子どもたち3人だけでした。その妻にしても、訳のわからないことを始めたものですから、相当戸惑っていました。収入面でもサラリーマンや商いをしている人たちのように安定していません。リスクを回避するために働いて家計を支えてくれました。
「呼ばれたらどこへでも行く」をモットーに全国各地を回りました。セミナーを始めたときは、自分で会場の設営から、CDを流すことまで、すべてを一人でやっていました。それは大変な作業でした。でも、根が好きでしたから楽しくやっていました。ところが途中から卒業生たちが、「私にも手伝わせてください」
と集まってきたのです。それが続いて、今ではたくさんのスタッフによってセミナーをすることができるようになりました。
今回ほど、そのありがたさをしみじみ感じたことはありません。しかも、人間的には、私が教えを乞わなければならないような人たちがたくさん受講してくださったことに感謝しかありませんでした。
あまりの感動に、毎日その日のスケジュールが終わると自室に戻り、ディヴァインと受講生、スタッフに感謝の思いが込み上げてきて、ひとしきり涙が止まりませんでした。
私の内側は今、とても静かです。
そして平和な思いで満たされています。
ありがとうございます。
この言葉以外見つかりません。
生かされていることに感謝、父・母につながるすべての先祖に感謝、そして妻に、子どもたちに感謝、すべての仲間たちに感謝、そして、なによりディヴァインプレゼンスに感謝。今、この瞬間に存在するすべては一人称でしか語れなくなってきました。あなたは私、私はあなた、すべては一つなのです。
私の旅は、終わることはありません。
この世を終えても、あの世が待っています。すべてはプロセス、体験が続きます。
つまり、至福の時が永遠という衣装をまとって続いていきます。
妙なる音楽と美しい色彩を伴って。
(合掌)